北海道・知床半島の羅臼(らうす)町幌萌町で4月24日、海岸線の地面が長さ約300メートル、幅約40メートルにわたって高さ約10メートル隆起しているのを住民が見つけました。
同町などが25日に調査したところ、約200メートル離れた裏山で長さ約250メートル、幅約50メートル、深さ約20メートルの陥没が起きていたことが判明しました。
専門家は、土砂の塊が地中から海側に流れる地滑りが起き、海底を押し上げたとみています。
町などによると、陥没のあった裏山は冬の間は雪捨て場となっており、同町は2015年2月2日に観測史上最大の積雪179センチを記録したため、今冬はトラックで大量の雪が捨てられました。
現地調査した専門家によると「土砂が陥没して地中を流れる現象は道内でたびたび起きているが、海底が隆起するのは極めて珍しい」と説明しています。
また「急に気温が上がって雪解けが進み、地中の岩のすき間に水が染み込んで大規模な地滑りが起きたと考えられる」とも分析しています。
町によると、現場海域は特産の羅臼コンブやエゾバフンウニの好漁場ですが、隆起などで海水が茶色く濁っているということです。
地元のコンブ漁師は「コンブに土砂が付着すると、光合成が妨げられて薄いコンブにしかならない。大事な漁場だけに、影響がなければいいが」と心配そうに話していました。
(毎日新聞ニュースより一部抜粋、改変)
海岸が隆起 羅臼町など調査、裏山では陥没も 北海道知床半島
4月 28, 2015 4:09 pm