日本で初めて耐震基準ができたのは、関東大震災の翌年の1924(大正13)年です。
以後、大幅な改正がが行われた1981年(昭和56)年のものが現行の基準です。
この2つを区別するために、1981年以前の基準を「旧耐震基準」、1981年以降の基準を「新耐震基準」と呼んでいます。
旧耐震基準では、日本でよく起こる強さの中程度の地震(震度5程度)に対して建物が耐えるように設計されたもので、100年に一度起こるか起こらないかの大地震に対しては、あまり考慮されていないものでした。
一方、新耐震基準は、中程度の地震(震度5程度)に耐えることはもちろん、強い地震が起きたときに建物が「倒壊しない」基準に変更されました。
大地震で建物がある程度壊れたとしても、建物内にいる人や建物周辺にいる人に被害が出ないようにすることを目標としています。
実際、旧耐震基準と新耐震基準では、被害の程度と確率に関して明らかな差を示しました。
阪神淡路大震災では旧耐震構造の多くが倒壊しましたが、新耐震構造の建物の被害は少なかったのです。
20年たった現在でも、旧耐震構造の建物は全国に約1250万戸存在し、その多くが木造住宅です。
未だ多くの方が、地震による建物の倒壊や圧死の危険にさらされているのです。
政府では、東日本大震災の被害を受けて、旧耐震基準で建てられた建物を新基準にするよう働きかけています。
自治体では、旧耐震基準の住宅に対して改修等をすすめる耐震化助成制度を設けているところもあります。
住宅を建てるとき、買うとき、私たちも耐震に対する知識を深めておく必要があるでしょう。
(Mocosukuの記事より一部抜粋、改変)
住まい選びで大切! 「旧耐震構造」と「新耐震構造」の違いとは
3月 30, 2015 11:45 am