崖上の別荘、次々崩落 淡路島、進む浸食打開策見えず

6月 11, 2015 10:31 am

兵庫県洲本市西部の海岸で崖の崩落が進み、海岸沿いにある別荘地の家屋が相次いで海に転落していることが自治会関係者への取材で分かった。浸食は現在も進んでいるといい、住民は抜本的な対策を求めるが、海岸管理者の兵庫県は「所有者らによる崖の補強工事など条件が整わないと護岸整備はできない」と説明。

現地写真

 住民によると、入居当初は切り立った海岸に沿って砂浜が広がっていたが、冬場に強まる風や波、大雨などで粘土質の部分の浸食が進んだという。阪神・淡路大震災で地盤がさらに緩み、10年ほど前からは基礎部分を失った家屋が十数メートル下の砂浜に転落し始めたという。

 崩落の危険があるため、海岸に近い建物に住民はいないが、内陸部にある一部は自宅として使われているという。自治会も浸食を食い止めるため、波打ち際のコンクリート護岸整備を県などに要望してきた。

 県はこれまでに(1)海と崖の間にある「水没民地」を県に寄付する(2)民間でのり面を補強工事する-を護岸整備の条件として自治会側に提示。住民側は「基礎となる護岸がないのに崖の工事は進められない」と主張。一時的な対策として県は約800万円かけて約200メートルにわたり消波ブロックを設置したが、護岸整備の具体的な計画は進んでいないという。

 住民の一人は「このままだと落ちるのを待つだけだ。家が落ちるという問題が現に起きているのに、行政がなぜ動いてくれないのか疑問だ」としている。

(神戸新聞NEXT より抜粋、一部改変?URL : http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201506/p3_0008099934.shtml

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