集団移転用地 仙台でも地盤強度不足

4月 9, 2015 4:38 pm

東日本大震災の防災集団移転促進事業で仙台市が造成した宅地をめぐり、地盤の強度不足を理由に移転住民が住宅建築業者から地盤の補強工事を求められるケースが生じていることが分かりました。
工事費は住民らの自己負担となりますが、市は「国の強度基準は満たしている」と市による補強工事や財政支援に難色を示しています。

補強工事を求められた宅地は判明分だけで、宮城野区の田子西隣接地区(160区画)の数区画で、市が2014年度に造成した7地区のうちの1地区で、2015年3月下旬に住民に引き渡されました。

住民らによると、引き渡し後に宅地を調査した住宅建築業者から地盤の強度不足を指摘され、住宅建築の条件として、地盤深部へのくい打ちやモルタル注入など100~200万円の費用が掛かる補強工事を求められました。
住民らは市に対応策を尋ねましたが、市側は「国の基準を満たしており、問題ない」「これ以上(補強工事)はやれない」と回答しました。

国は、地下2.5mまでの地盤について1㎡当たり30キロニュートン以上の強度を安全の目安に設定しました。
市は引き渡しに際し、基準を満たしていることを確認しているということです。

一方、住宅建築業者は、地盤沈下などが生じた際に住宅瑕疵担保履行法に基づき補修費用の負担を迫られる可能性があるため、国の基準より厳しい強度を求める傾向にあります。

市復興事業局は「住宅建築業者の判断次第で、自己負担での補強工事が必要になる可能性があることは事前に住民に説明しており、業者と住民の間の問題と考えている」と話しています。

同様の問題は昨年、気仙沼市や宮城県女川町で市や町が造成した集団移転用地でも判明しています。

(河北新報ニュースより抜粋、一部改変)

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